吟二の麻雀話4.0
どうもこんにちは、吟二です。麻雀についての話をまとめてます。見やすいフォントサイズでご覧下さい。
目次
0.使用ルールについて
1.麻雀で勝つためには
2.守りの章
2.1順目と危険度
2.2牌と危険度
3.手作りの章
3.1ツモの性質:山読みと受け入れ枚数理論
3.2向聴数の数え方と基本的な打ち方
3.3手牌の良さと構成要素
3.4絶一門と色よせの技術
参考文献など
0.使用ルールについて
私が普段打っているのはインターネット麻雀のハンゲ荘である。
たいていは半荘戦で25000点持ち、断ヤオあり、赤ドラあり、ドボンありになっており、以下の話も基本的には
赤ドラ入りを想定しているので、注意してほしい。
1.麻雀で勝つためには
麻雀は順位を争うゲームである。同じ点をあがってもロンやツモで点差が違っていくところにその性質が色濃く表れている。
素朴に考えれば麻雀で勝つためには他の人より多くあがって、他の人より振り込まなければいいわけだが、それはどれぐらいのことを意味しているのだろうか。まずはあまり考えたことがない1半荘でどれぐらいあがった人が1位なのかということを考えてみよう。
とつげき東北氏によればある局が
流局する確率は15%であるという。また、ひいい氏の統計データによって、ロンはツモの
1.9倍多く起こるということが知られている(バイロンの法則)。
バイロンの法則―――打ち手が放銃を避けるため、ロンが人数比であるツモの3倍ではなく約2倍(1.9倍)になるという法則。
つまり、1局は85%の確率で和了終了し、その65%がロンである。和了者が親である確率を25%、また流局時親がテンパイしている確率を50%とすると、それが連荘の確率である。各打ち手がまったく戦略なしに和了、流局すると仮定し、適当に平均和了点を与えれば乱数シミュレーションで簡単に半荘を再現できる。実際にシミュレーションを行ったところ、次のような結果が出た。
まず1半荘の局数分布(赤ドラあり)は次のようになった。
局数の平均は10.6局(競11.9)である。そのうち、和了終了は平均8.8局(競9.4)で、つまり1人あたりの平均和了数は2.2回程度であるとわかった。
次に、順位についてであるが、各順位の平均点数はおおよそ次のような値になる。
赤ドラあり平均和了点6500の場合
1位 42000 (+17000)
2位 29000 (+ 4000)
3位 20000 (- 5000)
4位 8500 (-16500)
赤ドラなし平均和了点4500の場合
1位 37500 (+12500)
2位 28000 (+ 3000)
3位 21000 (- 4000)
4位 13000 (-12000)
さらに順位別の得点分布(
赤ドラあり)を示したのが次の図である。
これによると2、3位が原点付近で比較的するどいピークを持つのに対して1、4位は拡がりが大きい。これは1位、4位が飛び抜けやすいことを意味している。こうなる理由は、得点をあげる回数が限られている上に、得点がだいたい決まっているからではないだろうか。順位と得点の関係では1位、2位の分かれ目はおよそ
+1万点あたりのようだ。ちなみに4位の2つめのピークはドボンである。
次に、この点数がどのように決まったのかを知るために、和了回数と放銃回数の関係を見てみよう。
このグラフは縦軸がイベント回数、横軸が和了回数と放銃回数の差である。これで見ると1位の安全圏はだいたい+3回である。つまり放銃より和了が3回多い人が1位になっているわけだ。回数別に順位の比を見てみると、
●:1位 ○:2位 △:3位 ×:4位
+3回 8:2:0:0 ●●●●●●●●○○
+2回 5:5:0:0 ●●●●●○○○○○
+1回 1:5:4:0 ●○○○○○△△△△
±0回 0:1:2:1 ○○△△△△△×××
−1回 0:0:4:6 △△△△××××××
−2回 0:0:1:9 △×××××××××
−3回 0:0:0:10 ××××××××××
となっている。3位のピークが0回に来ていることからも分かるとおり、ツモによって得点をとられる影響があるため、
±0は負けである。結局1位をとるには少なくとも
+2回の和了が望まれることがわかる。阿佐田哲也氏は著書「Aクラス麻雀」の中で、「半チャン戦では通常、大切なポイントが二度ある。二度のチャンスを攻め勝った者が勝ちである」と書いている。+2回の和了というのは大変良い基準だと言えるだろう。
2.守りの章
1章で、麻雀で勝つには+2和了が必要であると書いた。しかし、それは単に攻めろと言ってるのではない。1半荘における1人の和了の平均は約2.2回であり、相手3人の合計は約6.6回である。そこでバイロンの法則に従えば、そのうちロンが約4.4回起こるのが現代の麻雀である。まずは守りを学んで足固めをしようではないか。2.1では順目と危険度の関係を、2.2では牌と危険度の関係を解説する。
2.1 順目と危険度
何故振り込むのか。そりゃ相手がテンパイしているからである。じゃあ、相手はいつごろテンパイするのだろうか。ある情報によると、ある程度の打ち手が4人集まったとき、最初にテンパイが出現するのは
約8.5順目と言われている。またとつげき東北氏によると、リーチ者が現れる可能性は5〜6順目から11順目程度にかけて直線的に増加し累積70%に達することが分かっている。一方で、テンパイ者の平均リーチ率は30%〜40%と言われており、上のデータで省かれていた副露と門前ダマを足しあわせると、テンパイ者がいる可能性は12順目ごろには
90%程度まで達しているのではないだろうか。第一、流局時に誰もテンパイしていないなんてことはかなりまれである。このような情報を理論的に検証してみよう。ただしここでは簡単のために副露はないものとする。
もしも決して裏目を引かず必ず最短でテンパイする理想テンパイマシーンなるものがあったとしよう(副露はしない)。そうすると理想テンパイマシーンは競技者の門前でのテンパイ率の上限値を与えてくれるはずである。勘のいい方はすぐにお気づきになると思うが、この理想テンパイマシーンのテンパイ率問題は、配牌とツモの(13+n)枚から好きに選んでテンパイを作れるかどうかの問題に帰着する。重要なのはこれが麻雀の牌の数などから算術的に示されるものということである。マシンパワーも考えて、ここではすべての組合せを調べ上げることはせずに単に乱数シミュレーションでこの上限値を求めてみた。
この値は乱数の精度や、テンパイ判定の精度によって、もう少しいいものになるかもしれないがこれと大差はないだろう。ここで少し問題となるのが七対子で、この役は裏目が多い上に4面子1雀頭形と平行して成り立つことが少ないため、裏目を引かず4面子1雀頭形と七対子形を同時に狙える理想テンパイマシーンに異常に有利となってしまう。そのため七対子形を含めたテンパイ率の上限値は、競技者の技術の向上による収束値から大きくずれる可能性がある。ここでは現実に近い議論のために、4面子1雀頭形だけに注目することにしよう。ここで省く七対子の可能性については3.5で詳しく取り上げる。4面子1雀頭形のテンパイ率上限値は次のように求められた。
このグラフの値はテンパイ率の上限値であるから、これをひとつの防衛ラインとして、順目と危険度を考えてみよう。テンパイ者の存在確率はそれぞれ3順おきで推移しており、これを
3順目の法則と名付けよう。
まず、最も早いテンパイ者の存在確率が50%を超えるのは
8〜9順目である。そこで8順目をひとつの目安として、それ以降はテンパイ者がいる可能性が十分にあると考えたほうがいいだろう。当然8順目以前と以降では
異なる打ち方をしなければならないだろう。特に明確なテンパイ宣言をしない副露者や、ダマ待ち者に対するケアは手厚くやって損はない。上級者ほど副露やダマを活用するものである。
8〜9順目以前では
好牌先打が後半も見越した良い作戦である。8順目にテンパイできないようなら始めの4、5順で広げた手から、将来処理に困りそうな牌を5〜7順目でいくつか落とす。好牌先打は序盤から中盤への移り変わりの5〜7順が最適である。早いと浮き牌のくっつきを殺してしまうし、10順以降ではもはや先打ではなく暴牌である。特に序盤で字牌の処理が長引いたときなどには手全体が遅れるため、相手のテンパイのタイミングと中張牌の処理がオーバーラップしやすい。自分が遅くても意識的に周りに合わせて落とすのが先打である。相手のリーチがかかりだすのも6順目ぐらいからである。何が処理しにくいかは次の節を参照して欲しい。
次に目安になるのが
11順目である。このとき1人目のテンパイ者がいる確率は80%を超えており、さらに2人目のテンパイ者がいる確率が50%を超える。自分がテンパイしていない場合、この局が
守りの局であることを頭に入れよう。和了終了も考えれば1牌が最も危険な時間帯なのである。10順目以降は、変な1向聴を維持するぐらいならいっそ
2向聴に戻すというのもいい手である。例え相手がリーチしてなくとも、相手は確実にテンパイしているはずだ。だらだらテンパイを待って危険牌を通すより、しっかりオリたほうがよい。運良くテンパイしても3番手4番手なのだから上がれるとも限らない。着実に点棒が減らない道を行った方が次のチャンスが生かせるってものだ。もちろん危険牌をツモらなければ向聴を戻す必要はないのだが、2枚ぐらいは引いちゃうものである。
順目に応じた対応をして、攻守のメリハリをつけるのが防御の基本である。
2.2 牌と危険度
振り込みを減らすには、相手がどんな待ちを作りやすいのかということを考えることである。
危険牌読みの主役は
見えている牌の枚数からの読みである。見えている牌はその牌を使った待ちを否定する。ゆえに、否定されずに残った待ちが危険なのである。見えている牌とはもちろん、手牌、捨て牌、副露牌、ドラ表示牌のことである。
今、相手の待ちの部分が2枚の牌で構成されるとしよう。このとき、待ちの数は両面18種類、嵌張21種類、辺張6種類、シャンポン34種類の計79種類である。各待ちの組合せの数は、それに使用できる牌の枚数によって決まる。例えば塔子なら見えている牌の枚数n,mを使って(4−n)×(4−m)である。この待ちを作る組合せの数が、実際に相手がその待ちである確率に比例すると仮定すれば、ある牌が当たる確率を概算することが出来る。
この組合せの数というのは、大抵の場合、印象で判断しているものである。これをいちいち計算するのは面倒なので、やってくれるExcelソフトを作った。見えている牌の枚数を入力すると牌の危険度(それを待つ待ちの組合せの数の相対的な多さ)をグラフ化してくれる。このソフトの目的は、気になった場面を後から再現することで、
直感が正しかったかどうかを検証することにある。
>
Excel見牌解析をDL
例えば次の場面に対して、結果は次のようになった。
出の少ない索子、萬子ともに危険で、筒子の上も地味にペン7筒、6―9筒あたりの危険性が残る。ここは123筒あたりを切り飛ばすのが得策だ。1例だけで誇張してもしょうがないが、この時の対面は4―7萬待ち、上家は3索待ちである。
このソフトによる色んなケースの検証の結果、大雑把に次のように言える。
安全
・字牌(当たり牌にはなりにくい)
・となりが多く見えている牌
危険
・となりがあまり見えていない牌
・手の中の対子や暗刻
この方法は従来の捨て牌読みと組み合わせることで、より安定した読みを実現する事ができる。どこが濃くてどこが薄いかを考え出すと麻雀はより一層おもしろい。気になった局面はぜひ上のソフトで検証して感覚をやしなって欲しい。
3.手作りの章
さて、守りが充実したところで、ようやく攻めである。この章では、手作りのイロハを学んで、早いテンパイ、柔軟な手作りを目指す。
3.1 ツモの性質:山読みと受け入れ枚数理論
まずはツモに対する曖昧な先入観や、偏った見方を避けるために、ツモの性質を大雑把に押さえておこう。特にツモりやすさが見えない枚数に比例するというのは大きな間違いであるから、そう思っていた人はこの節をよく読んでもらいたい。
山読みはつまるところ、相手の手牌の予測である。相手が何を何枚使っているかが概算できれば、山に残っている牌もある程度の精度で予測が出来る。もちろん相手の手牌を正確に予想するのは不可能であるが、3人の相手が「テンパイを目指している」という仮定を立てれば、3人の手牌に使われている牌の概算が出来る。先ほど言ったツモりやすさが見えない枚数に比例するという考え方はこの「テンパイを目指している」という条件を入れないから間違っているのである。ここではその条件を次のように評価した。
まず、3人の相手の手牌39枚は合計で面子21枚、塔子と対子12枚、雀頭6枚で構成されているものとする。これは山読みが最も有効と思われる中盤に焦点を当てたものであり、テンパイ1人、一向聴2人という仮定である。もちろんこの構成枚数を順目の関数として与えることもできるが、それは面倒なのでしない。序盤は見える牌が少なく読みはあまり意味が無いし、終盤はたとえ読んだところで、ほとんどは王牌の中にあり効果はない。
先ほどの仮定の下で、面子、塔子(対子)、雀頭それぞれについて、組合せの数からどれが起きやすいかを確率で表し、その期待値を出せば、3人の相手によって手に拘束されている枚数が概算できる。
これもまた手で計算するのは大変なので、先ほどのソフトに付随しておいた。DLして確認して欲しい。
このソフトを使った検証によって次のような傾向が見られた。
・ある牌の見えている枚数が0〜2枚の時、ツモりやすさに
明確な差はできない。
・明らかにツモりにくい牌(確率が他の牌の半分以下程度になる)は、見えている枚数が3枚の牌(つまり
ラス牌)と、
かたまり(連番)でほとんど見えてない牌である。
・明らかにツモりやすい牌は2837のカベの外である。
統計的に見ればツモは均質であるから、ツモを予測することは無意味に思える。しかし、場に統計的平均からのずれが観測されたならば、その局に限り、ある不均一さが予測できるのは当然であろう。
このことを裏付けるデータがあるので見てみよう。これは打ち手がまったくランダムに手牌を切った場合に、各枚残りの牌の種類の多さの推移を表したものである。配牌前は当然山に4枚ある牌が34種である。
まず、これで見るように4枚残っている牌の種類は指数関数的に減少する。例えば10順目では牌は全体で53枚見えており、もし仮にランダムに切ったならば、4枚残っている牌は4種類ぐらいである。そこで、中盤でも
連番で各0枚〜1枚しか見えていないならば明らかに意図的に使用されていると考えていいだろう。またそういう牌は同時に相手の手牌が39枚であるという要請から、かなりの枚数が拘束されている確率が高い。そのため固まりで見えない牌は明らかにツモりにくいのである。
ここで受け入れ枚数理論に触れておこう。受け入れ枚数理論とは、捨て牌の選択において、向聴数が減少する牌の受け入れ枚数(何種何牌)が最大になるようにするという理論である。この理論では受け入れが何種何牌かということが直接選択に使われているが、上述の通り見えてない牌の枚数がツモりやすさに直接比例するわけではない。つまり、受け入れ枚数はあくまで目安にすぎないのである。
3.2 向聴数の数え方と基本的な打ち方
向聴数とは知っての通り、テンパイまであと何手かを表す重要な指標である。手作りは基本的には向聴数を減少させるものと考えられるが、回したり、オリたり、より高い手へ移行したりと、向聴数を増やすこともしばしば起こる。そこが手作りの面白さと言えるだろう。
まずは、4面子1雀頭形のすべての向聴パターンと
向聴数の数え方を紹介しよう。
下の図は13枚の手牌を抽象化したものである。図形の意味は図の右上を参考にして欲しい。


向聴数を機械的に計算する次の公式を覚えておけば向聴数の話で困ることはない。
「向聴数公式・4面子1雀頭形」
1.雀頭ポイント:雀頭を1pとして数える
2.面子候補ポイント:塔子、雀頭でない対子、面子を1pとして
最大4pまで数える
3.面子ポイント:2で選んだ面子にさらに+1p加える
4.合計ポイントを8pから引く
5.出たポイント数が向聴数である
この公式は、4面子1雀頭形の手牌の向聴数の最大が8であり、逆に、8向聴から8手(8p)でテンパイとなることから導かれる。塔子、対子は1手(1p)、面子は2手(2p)と数え、面子オーバーを考慮すると上の形にまとまるのである。
一応、七対子形も書いておくと
「向聴数公式・七対子形」
1.対子ポイント:対子を1pとして数える
2.合計ポイントを:
6pから引く
3.出たポイント数が向聴数である
(注)当然七対子形の最大向聴数は6向聴である。なので和了形を限定しない場合向聴数は6向聴までしかない。ちなみに国士無双は13向聴まである。
これらの公式を使って、次の手牌を見てみよう。
手順に従って、
1.1p(雀頭ポイント)
2.3p(面子候補ポイント)
3.+1p(面子ポイント)
4.8−5=3p
5.よってこれは3向聴である。
間違えやすい面子オーバー形も見てみよう。面子候補ポイントは4pが上限である。
1.0p(雀頭ポイント)
2.
4p(最大値)(面子候補ポイント)
3.+0p(面子ポイント)
4.8−4=4p
5.よってこれは4向聴である。
「練習問題」
解答→
8向聴、2向聴、4向聴、3向聴、3向聴
これで晴れて向聴数の数え方が分かったところで、一応誰もが近いことをやっているであろう手牌作りを解説する。手作りのベースにあるのは
面子>雀頭>塔子と対子>浮き牌
という優先順位を守ることである。というのもこれを守っていれば、向聴数は増えないからである。テンパイしようとしているのだから向聴数を減らそうというのはしごく当たり前であって、これから外れる場合はそれ相応の戦術がなければならない。
1.浮き字牌を処理する
字牌は数牌に比べて受け入れが少ない。だから、浮いている字牌を処理する。これに沿わない場合は必ず何らかの戦略をもつべきである。無意味に字牌を絞っても意味が無い。
2.塔子を優先する
1回のツモで面子になる塔子を残し、塔子にもなっていない孤立牌を切る。たとえそれがカンチャン、ペンチャン、オタ風対子でも完全に浮いた中張牌に勝る。なぜならば、中張牌が両面塔子になるには少なくとも1回のツモが必要だからである。面子候補の切り替えはツモという資源を消費していることを常に意識しなければならない。
1索、37萬以外を切ると向聴数が増加する。
塔子を優先しなければ面子化チャンスを逃すことになり手は遅くなる。もちろん点数や、待ちの問題で浮き牌を優先することがあるが、頻繁に愚形を嫌う人はテンパイが遅くなりやすいので注意が必要だ。
3.塔子、浮き牌を選択する
ツモによって新しく出来る塔子、浮き牌を既存のものと交換するかを検討する。これが手作りの根幹と言っても過言ではない。何を切るかは非常にナイーブな問題であって、取る立場によって様々である。
4.回す、オリる
自分が3、4番手である可能性が高い場合は回す、オリる。その判断基準はそれぞれの章を参照してほしい。
7萬が危険なら1,2索あたりを処理していく。もちろん危険牌でなければである。
向聴数を減らすと言えども、振っては意味がない。無理は禁物である。
ちなみに、素早い判断のこつ
すばやい判断をするためには
何をツモるかではなく、何が仲間はずれかを考えることである。この先、何をツモろうかではなく、とにかく次にどこを切ればいいかを考える。そうすると手牌がよく見える。
3.3 手牌の良さと構成要素
さて、向聴数の数が分かったところで次にどのような手牌がよりよいのかを学ぼう。次のグラフは、各順目において向聴数の順位をつけ、それらの(手牌+ツモ)がどのような構成になっているるかをシミュレーションしたものである。
これを見るととにかく向聴数が進んでいる(手牌+ツモ)とは面子が多く、塔子、対子が少ない状態であることがわかる。これは、塔子、対子がうまく面子になっていることを示している。逆に、向聴4位の手牌+ツモは面子が少なく、塔子が異常に多いということが分かる。これは、塔子、対子があまり面子にならず、穴が空いて幅広くツモってしまうということを意味している。考えてみれば当たり前の話だが、序盤で面子を作れるかどうかがその局の先手と後手を決めるようである。向聴数は前節の公式があるとはいえ、いちいち考えるのはめんどくさい。
面子と塔子のどちらが増えているのかを把握することが自分の手牌をどう進めるかの大事な指標になるようである。
面子数を見ると、具体的には5順目で2面子が1番手、1面子が2、3番手、0面子が4番手という感じであるが、これはあくまで平均値であり、これを目安にするのはあまりにも対象を簡略化していて実用的ではないだろう。やはり
傾向を掴むのが重要である。
このような傾向から、先手と後手の手作りの違いを考えてみよう。
最も先手の場合、つまり向聴1位の塔子の場合の対子数をみてみると、平均9順目あたりで3面子となりテンパイの可能性が出てくるが、このとき塔子、対子数は3.5である。1つは雀頭で使うとすると、待ちの選択はわずか2.5塔子である。すべての牌が見えない状態での待ち牌の組み合わせの数は大雑把に見積もって、両面:嵌張:対子+辺張=1:1:1ぐらいだから、2.5塔子のうちに1つぐらいあるであろう両面を選択したら終わりである。つまり、最も早いテンパイが入った場合、
塔子選択というのはほとんど皆無ということである。先手をとれそうな配牌、序盤のツモなら、他家の動向などはあまり関係がなくストレートにテンパイすることだけ考えればよいのである。
一方で、最も後手の場合、つまり向聴4位の塔子、対子数はそれらが面子になることが起こらないために増大する。8順目頃でようやく平均1面子できるが、このとき塔子はすでに5.5塔子もあり、うち2塔子の両面と雀頭を優先しても、残り2.5塔子から1塔子を選ぶことが必然的に起こってしまう。この傾向は以降も続き、2人目のテンパイ者が出現する11順目ごろにはさらに1塔子できてしまう。必然的に起こる塔子、対子選択において、いかに
安全なルートを手牌に残せるかが後手の手作りの重要な点である。
ただストレートにテンパイするというのはあまり自由度がないので省略することにして、次の節では後手の手作りの一つである色よせについて解説する。
3.4 絶一門と色よせの技術
後手の手作りの肝は塔子、浮き牌の選択である。まだ先手を取る可能性があるなら両面を優先するのは言うまでもないが、守りを中心とした手作りの場合、最も重要なのは色を意識することである。理由は簡単で、同じ色のほうが牌同士が
連絡するからである。孤立した塔子はせいぜい両面への変化しかない。また、下手に真ん中に寄らないというのも色を優先したことによって得られる大きなメリットである。危険牌の多くは3から7の真ん中の牌であって、色のために取っておいた1289の牌は比較的安全になることが多い。色よせのメリットは有利な面子を作り出すだけでなく、ある色の占有率を高めることによって、相手には見えない危険牌、安全牌を知ることが出来る点にある。数牌をできるだけ連結させる。それが守りの手作りの極意である。
では実際にその方法を解説しよう。
まず、前の節でテンパイのための手作りの基本は向聴数を減少させるものであると言った。これは色よせを行う場合も同じである。数牌が集まった方がいいといっても、手の流れを無視してはいけない。序盤ではたまたま面子ができることによって先手となる可能性が残されている。一応、運がいいと先手を取れるルートも残しながら、いざというときには後手に回る準備をしておくのである。色よせの技術とは向聴数を維持したまま手牌を変化させるところに肝がある。すなわち、できるだけ同向聴数の中で、色を増やしていくのである。
具体的には
・浮き牌を入れ替える
・塔子、対子選択で入れ替える
・面子オーバーの塔子を切りとばす
ということをする。基本的に先手後手の分かれてくる5順目〜ぐらいから行うことになる。単に寄せるというだけでなく相手の捨て牌をよく見て、将来の安牌も使って育てる意識が必要だ。具体的な例を見てみよう。
例えば6順目でこの形だとしよう。この手牌はよく見ると面子オーバーである。そこで、ここで浮き牌を切らずに35萬を払うのが色よせである。
例えば6順目でこれは多分後手である。同じように68を払ってみる。
ただし、あまり過激にやり過ぎると、先手を取れた場合を逃してしまうので、牌姿をよく見て、遅いのか、早いのかを十分見極めることである。
参考文献など
文献
「科学する麻雀」 とつげき東北著 講談社現代新書(2004)
「Aクラス麻雀」 阿佐田哲也著 双葉社(1989)
Webサイト
「ひいいの麻雀研究」 http://www.ix3.jp/hiii/
「comjong.com」 http://comjong.com/